犬の歯みがきを始めようと思っても、歯ブラシと指ブラシのどちらがよいのか、どのサイズを選べばよいのか迷う飼い主さんは多いと思います。
この記事では、歯ブラシを選ぶ前に確認したい口の様子、歯ブラシと指ブラシの違い、選ぶときの基準と商品例、嫌がるときの考え方を紹介します。歯ブラシは毎日のお手入れの道具で、すでについた歯石を取ったり、歯ぐきの病気を治したりするものではありません。
選ぶ前に:先に受診したい口の様子
次のような様子がある場合は、歯ブラシを選ぶより先に、動物病院で口の中を診てもらってください。
- 歯ぐきが赤く腫れている、触ると出血する
- 口臭が強い、急に強くなった
- 歯がぐらつく、欠けている・折れている
- 口を触られるのを痛がる、嫌がり方がいつもと違う
- 食べにくそう、食べこぼす、よだれが多い
- 茶色や灰色の歯石が目立つ(歯石は歯みがきでは取れません)
歯石と病院でのスケーリングについては、犬の歯石は自宅で取れる?で整理しています。
まず知っておきたいこと
- 歯みがきは毎日が理想とされています。毎日が難しくても、続けて磨くことには意味があります。
- 歯垢や歯石がたまりやすいのは、歯の外側(頬側)、とくに上の奥歯と犬歯です。まずは外側を磨けるようにすることを目指します。
- 歯みがき剤は犬用(ペット用)を使います。人用の歯みがき粉は飲み込む前提で作られておらず、犬に有害な成分(キシリトールなど)を含むものもあります。
- 歯ブラシは定期的に交換し(3か月ごとが目安とされています)、犬が複数いる場合は1頭ずつ分けて使います。
- すでについた歯石は、歯みがきでは取れません。歯石の除去は、動物病院で全身麻酔をかけて行う処置になります。
歯ブラシと指ブラシの違い
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| 指ブラシ(指サック型) | 指先にはめて使う。指の感覚で当てる位置を調整しやすい | 歯みがきに慣らし始めるとき | 口の小さい犬には入りにくいことがある。噛む癖のある犬には使わない |
| 柄つきの歯ブラシ | 柄があるので奥歯まで届きやすい。ヘッドに角度がついたものもある | 指ブラシに慣れたあと、奥歯の外側まで磨きたいとき | 先端で歯ぐきを突かないよう、やさしく当てる |
始めは指ブラシで口に触られることに慣らし、慣れてきたら柄つきの歯ブラシに替える、という順で進める飼い主さんも多いです。犬の大きさや、飼い主さんが扱いやすいかどうかで選んでかまいません。
選ぶときの基準
- 口の大きさに合うサイズか:商品名や商品ページにある対象(超小型犬・小型犬・中型犬など)や体重の表示を見て選ぶ。口の小さい犬には、ヘッドが小さいものが当てやすい。
- やさしく当てられるか:歯ぐきを傷つけないよう、強くこすらずに当てられるもの。毛先が開いてきたら交換する。
- ヘッドの形・角度:柄に角度がついたものは、奥歯の外側に当てやすい。指ブラシは、指の動きで細かく調整しやすい。
- 続けやすさ:手になじむか、洗いやすいか、交換しやすいか。毎日使うものなので、無理なく続けられることを優先する。
ここで挙げているのは、使いやすさやサイズの表示で選ぶための基準です。どの商品も、歯石を取ったり、歯ぐきの病気を治したりするものではありません。
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基準に当てはまる歯ブラシ・指ブラシの例
日常のお手入れで使われている用品の一例です(選び方の順位・評価ではありません)。歯ぐきの腫れ・出血、強い口臭、痛がって口を触らせない・食べにくそうな様子がある場合は、歯ブラシを使う前に動物病院で相談してください。
指にはめて使うタイプ(コンパクト)
ライオン ペットキッス 指サック歯ブラシ コンパクト 1本
指サック歯ブラシ(犬猫用)
選んだ基準指先にはめて使う歯ブラシ。指の感覚で当てる位置を調整しやすく、歯みがきに慣らし始める段階で使いやすい形です。
柄つき・小型犬〜中型犬用
マインドアップ 犬口ケア 犬用歯ブラシ スモールヘッド 小型犬・中型犬用 1本
犬用歯ブラシ(柄つき)
選んだ基準商品名に小型犬・中型犬用、ヘッドが柄に対して15度傾いていることが表示されています。指ブラシに慣れたあと、奥歯の外側まで当てたいときに。
柄つき・超小型犬用(ヘッドが小さいタイプ)
マインドアップ 犬口ケア 犬用歯ブラシ マイクロヘッド 超小型犬用
犬用歯ブラシ(柄つき)
選んだ基準商品ページに体重2.5kg未満の超小型犬向け、ブラシ部の厚さ約10mmと表示されています。口が小さく、指ブラシが入りにくい犬に。
歯みがき剤(ジェル・ペースト)について
歯ブラシと一緒に使う歯みがき剤は、犬用のものを選びます。風味のついたものが多く、好きな味だと歯みがきを受け入れやすくなることがあります。種類ごとの違いと商品例は、犬の歯みがきジェル・デンタルガムの選び方で紹介しています。
使い方の基本
- 落ち着いた時間と場所を選び、ほめながら進める。
- はじめは指やガーゼで、歯の外側を数本さわるところから始める。
- 慣れてきたら、歯みがき剤を指からなめさせて味に慣らす。
- 歯ブラシに少量をのせ、歯の外側を、歯と歯ぐきの境目にそってやさしく磨く。
- 上の奥歯と犬歯を中心に、慣れたら片側30秒ほどを目安にする。
頻度の考え方や、毎日磨けないときの工夫は犬の歯みがきの頻度と慣らし方で詳しく紹介しています。
嫌がるときの対応
- 無理に口を開けたり、押さえつけたりしない。嫌な経験になると、次から触らせてくれなくなることがあります。
- 短い時間で終え、できたらほめる。嫌がったら、一つ前の段階(指でさわる、味に慣らす)に戻る。
- 指ブラシを噛もうとする場合は、柄つきの歯ブラシに替えるか、慣らしの段階に戻る。
- 急に嫌がるようになった場合は、口の中に痛みがあることもあります。動物病院で相談してください。
まとめ
- 歯ぐきの腫れ・出血、強い口臭、歯のぐらつき、痛み、食べにくさがあれば、歯ブラシを選ぶより先に受診する
- 慣らし始めは指ブラシ、慣れたら奥歯まで届く柄つきの歯ブラシ、という選び方もある
- 口の大きさに合うサイズ、やさしく当てられること、ヘッドの形、続けやすさを基準に選ぶ
- 歯みがき剤は犬用を使い、人用の歯みがき粉は使わない
- すでについた歯石は歯みがきでは取れない
よくある質問
Q. 歯ブラシと指ブラシ、どちらから始めればよいですか?
A. 口に触られることに慣れていない場合は、指ブラシや指に巻いたガーゼから始めると進めやすいとされています。慣れてきたら、奥歯まで届く柄つきの歯ブラシに替えることを考えます。
Q. 磨いていたら歯ぐきから血が出ました。
A. いったん中止してください。歯ぐきの炎症があると出血しやすくなります。出血が続く、腫れている、痛がる場合は動物病院で相談してください。
Q. 歯ブラシはどのくらいで交換しますか?
A. 3か月ごとが目安とされています。毛先が開いてきたら、それより早く交換しましょう。



